結.課題図書リスト更新

ふぅ、やっと最後まで来た。帰国から1カ月超。やっぱ時間が経つほどに心動かされたインパクトも薄れていくから、書き留めておいてよかった。毎度ダラダラ長文になってしまったけれど、個人的備忘録ということでご容赦ください。

旅の続きは、本の世界で考え続けよう。旅後の課題図書リストを作った。

まず、アウシュビッツのガイド、中谷剛さんが著した『アウシュビッツ博物館案内』。
4時間では回れなかった場所、十分に聞けなかった話のために。
そして、なぜ、を考える材料として『ヒトラー権力掌握の20カ月』。

あと、暗殺されたアンナ・ポリトコフスカヤの取材手帖『ロシアン・ダイアリー』。
ワルシャワ蜂起前後について、アンジェイ・ワイダ監督の『灰とダイヤモンド』はじめ抵抗3部作。

今、読んでいるのは、グロスマンの『人生と運命』。
独ソ戦の従軍記者が、スターリングラード攻防戦を舞台に描く叙事詩的小説。「ナチとソ連全体主義体制の本質的類似」について書いているというので惹かれた。ソ連時代に発禁とされ、原稿は没収されたものの、奇跡的に持ち出されて出版される。
今年になって日本で翻訳が出た。みすず書房、偉大だ。
3冊1400ページと大部で、登場人物もめちゃ多いけど、寝る前の布団のなか、一瞬でスターリングラード塹壕に連れて行かれる描写がすごい。作者が何かに憑かれたように書いていることが伝わってくる。

これらの本は元々持ってたやつと、新しく買ったやつと。
目に見えるところに並べてみた。いつ読み切れるかわからないけど。

本との出会いは以下の3段階に分けられると思う。

1.その本の存在を知る
(メディアで本が紹介されていた、人から教えてもらった、本屋などで見た)

2.その本が手元にある
(本を買った、借りた、本のある場所にいる)

3.中身を読む

本屋さんや出版社の勝負は1→2なんだろうけど(買っただけで中身を読まない人が大量にいるのがベストセラーだなんて言う人もいた)、2→3のハードルもけっこう高いと思う。
私は買って積ん読が多いし、図書館で借りて、そのまま読まずに返すことも多いほど。それでも、1だけだと次々と本の情報が入ってくるなかで記憶も埋没してしまうので、課題図書はとりあえず2に進んでおいた。

ブックカフェとかは、1→2→3まで出来る場所を作ろうとしているんだろうな。電子書籍になると、2という段階はすっとんでしまうのかどうなのか。

あとは、ドストエフスキー先生(の像)に対面してきたことだし、積ん読の『カラマーゾフの兄弟』にも手をつけねば。読んだら晴れて村上春樹が主宰する「カラ兄読了クラブ」(実態ナシ)に入れる♪