2010-01-01から1年間の記事一覧

迷える子羊

「物事にさまざまな側面があるなんて当たり前。雑誌の特集はそれを1つの視点で切り取って作れ」。特集の担当になった時に先輩から言われた。それでも、大事な点が抜け落ちていたのではないかと思うことがある。 11月2日号「職場のうつ」特集もその1つ。…

子の泣き声が響く時に

同年代の友人達は次々と子を持つようになり、会う時は自宅にお邪魔することが多い。 先日も友人が夕飯の支度をするかたわらで子ども達と遊んでいると、ぐずりだした2歳の女の子がどうにも泣き止まない。彼女が「眠いのね。寝かしつけるわ」とおぶっても激し…

メール>電話?

原稿執筆や取材をお願いするという仕事の性格上、日々、面識のない方に連絡をとる機会が多い。その時にどのような手段を使うのかは、なかなか悩ましい。 社会人になって9年。環境によって違うのかもしれないが、当初は「いきなり電子メールで連絡するのは失…

“つぶやき”の対極に

フレッシュマンが街にあふれる4月。9年前、就職が決まらないまま大学を卒業し、リクルートスーツを着ていたことを思い出す。 前年の秋、父に「家業を手伝ってもいいか」と泣きついた。ほどなく手紙が届いた。家業を継いでからの苦闘と「やりたいことを追い…

山里からの便り

毎日、家に辿り着いてポストを開けるとチラシにダイレクトメールばかりだから、たまに交じる私信はうれしい。先日、かつて勤務していた四国・徳島の山深い地から2通の封書が届いた。どちらの名も平成の大合併で変わったが、以前の村の方がしっくりくる。 1…

物語の力

弊誌はもとより、経済の記事では、主語が「日本は」「米国経済は」と国だったり、企業名だったり、あるいは「GDPが」などと経済指標であったりすることが多い。 当たり前だが、それぞれの主語に意思はない。組織は個々の人間の集まりだし、指標は行動の結…