映画『小名木川物語』が映すもの

小名木川物語 予告編 (2019) この映画は、撮影の間、この街に流れていた時間を映し出している。 物語は春から夏、秋、そして春が来るまでの1年の間。 桜が咲き、夏が近づくと朝顔市、灯篭流し、お神輿。 秋には美楽市、酉の市、町のそこここでお餅つき、そ…

『負債論』を読むメモ(1)友人にお金を貸してはいけない理由

いまさらだけど2020年の年明けからデヴィッド・グレーバー著『負債論』を読んでいる。日本語訳は2016年11月でずいぶん話題になって、そのあとに出た本でも引用を見かける。厚さ5.5センチの鈍器本である。 「第五章 経済的諸関係のモラル的基盤についての小論…

映画『小名木川物語』が映すもの

小名木川物語 予告編 (2019) この映画は、撮影の間、この街に流れていた時間を映し出している。 物語は春から夏、秋、そして春が来るまでの1年の間。 桜が咲き、夏が近づくと朝顔市、灯篭流し、お神輿。 秋には美楽市、酉の市、町のそこここでお餅つき、そ…

コーヒーカップが割れてから

週末のたびにご夫婦で営んでいる近所のコーヒー屋さんにいく。 小さなお店は6席、それもイスはスツールやベンチで、混んでいる時は折りたたみイスが加わる。コーヒーが注がれるのは紙コップや持参のマグ。コーヒースタンドというのがふさわしいかもしれない…

開かない扉を叩き続ける音

6月、ようやくリニューアルオープンした東京都現代美術館へ。 急ぎ足でボリュームある2つの企画展を見て回るなかで、目がとまり、ベンチに腰を下ろしたまま動けなかった映像があった。 それは、ヂョン・ヨンドゥ《古典と新作》2018。 昨年秋、休館中に街中で…

憧れに背を向けて

1月、ある読書会に参加した。2018年のオススメ本を1冊ずつ持ち寄る趣向だ。私が紹介したのは『中央銀行』(東洋経済新報社)。日銀前総裁が著した大著だが、何より職業人としてのありようが印象的だった。 昨今、「組織にとらわれない自由な働き方」が…