メール>電話?

 原稿執筆や取材をお願いするという仕事の性格上、日々、面識のない方に連絡をとる機会が多い。その時にどのような手段を使うのかは、なかなか悩ましい。
 社会人になって9年。環境によって違うのかもしれないが、当初は「いきなり電子メールで連絡するのは失礼」という風潮だったように思う。職場内でも「事務連絡ならメールでもよいが、基本は口頭で」と教育された。
 ところが、最近では「いきなり電話で連絡してくるのは失礼」と捉える人もいる。確かに、電話は掛ける側の都合で相手の時間をもらうものだ。メール連絡は浸透している。しかし、私の場合、どこかに「メールの方が失礼」という感覚が残っているので、電話で不在が続いた時などにメールで用件を伝える際には、まず言い訳をしてから、本題に入る。
 既に世のコンセンサスが、メール>電話なのかというと、混在しているように思える。自身のサイトに「連絡はEメールで」と記載があったりすれば分かるし、面識が出来たあとは、やりとりのなかで相手にとって好ましい連絡手段を探ることもできる。場合によっても違う。だが最初が難しい。
 これは過渡期だからなのだろうか。たぶん私が単なる小心者なのだろう。 

(『週刊エコノミスト』2010年6月15日号編集後記)