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コウノトリは後から来て

 いつのまにか周りの友人に父・母が増えた。31歳既婚。最近はセクハラだとかで、子どもはどうするの?との質問には、同席する人からNGが出るのが常だが、取材で人に根掘り葉掘り尋ねてきて、自身のプライバシー云々は言い難い(はぐらかすことはあるが)。
 そのまま答えるのなら「欲しいけれど、もうちょっと先」。同様の女友達は、専門職で正社員なのだが「産休・育休をとった後に戻れる地位を築いてから」と言う。有期の契約社員で資格もない私は「子どもを持った後でも仕事に就けるような力をつけてから」。
 共に「ここまで到達すればOK」というものはない。あと少し、と思いながら時が経ってしまうことも想像がつくが、一方で、年齢が進めば妊娠率が下がるという現実がある。
「授かりものなんだから、都合よくはいかない」「産んでしまえば何とかなる」とも言われる。確かに、運を天にまかせ、状況に応じて道を探ってもいいのかもしれない。
 今は限られた貴重な時間なのだと肝に銘じつつも、時折、こうしている間に何か大切なものを失っているのではないかと焦りにかられる。せめて健やかな体を保とうと思うものの、不規則な生活とたまの深酒から抜け出せない今日この頃である。

(『週刊エコノミスト』2009年10月20日号編集後記)