4.ビール、ビール、ビール

一息ついて、小ネタに転じます。

ヨーロッパの街って(というほど知らないけど)、街中に広場があって、周りのお店がテラス席を作っている。目抜き通りとかあちこちでも。
フランスではそこで、エスプレッソかワインがたしなまれていたけれど、ポーランドバルト三国では圧倒的にビール!
パラソルにはローカル・ビアのロゴが入っていて、勢力図が分かります。

夜更けまで明るいので(夕焼けはリーガで23時ごろ)、暮れかけるとそろそろ夕飯・・・という時間感覚も薄れ、足が棒になるまで歩き回ったすえに毎日、夜9時過ぎから外で、店でビールをぐびりとやってました。あ、歩き疲れた昼間にも少々。

さすがにその時間は寒くなってくるのだけど、皆ブランケットにくるまっても外で飲食しようとする。私も。冬が長くて暮れるのも早いだろうから、束の間の極楽なんだろうなぁ。

そして、生演奏が開放感を増していたのが、リーガ。どこもステージ組み立てて本格的で、我々が入ったお店は女性ボーカル+バンドという「いきものがかり」みたいな感じだった。人気あるみたいで、口ずさんでいる人たちもいました。

あとは、おぉ、ここも女子会ばやりだよ、とか、合コン(?)で1人に人気集中してるわ、だとか、あの年齢層バラバラ男女のグループは職場かしら・・・など観察。注文を運ぶ先を間違えて怒られてばかりのホールのお兄ちゃんとかも。いずこも同じ。そして、日本語が(たぶん)分からないのをいいことに、大声でオモシロ光景を教えあう。視線はなにげなく向けるのがポイントです。

写真のワルシャワの広場は、まさに旧市街という感じのカラフルで形のそろった建物がぐるりと囲むさまが壮観だったのだけど、これ、戦争時にドイツ軍に壊され、戦後にワルシャワ市民の手で忠実に復元されたそうです。街角にあった、戦後すぐの写真では、屋根がみんな抜けて、ぼろぼろの壁だけになっていた。ほんと、よく作り直したなと。

こちらは旧市街のはずれにあるワルシャワ蜂起の記念碑です。第二次世界大戦末期、ナチス・ドイツ占領下のワルシャワで武装蜂起が起こる。でも、支援するはずだったソ連軍は手前でとまって傍観し、蜂起軍は市街地で抵抗するも壊滅。その後、蜂起に加わった人々は殺され、市街地は徹底的に壊される。

いま広場はのどかな観光地で、その日もさまざまな国、風貌の人々がそぞろ歩き、仮装したおじさんが写真を撮ろうと声をかけていた。(ちょうどサッカーのユーロ2012開幕直前だった)
きっと地元の人にとって特別な場所だから、訪れて感じるところがある“観光地”になるんだろう。旧市街地は世界遺産に登録されているけど「復元されたからこそ価値がある」ゆえだそうです。