読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

必殺仕事人、医療を斬る

夫が好きなので毎回鑑賞している必殺仕事人。
日曜にやってた最新作はなかなか面白かった。
時代劇ながら、現代の医療問題に通じる要素が盛り込まれていて。
以下ネタバレ御免。録画してこれから観る方がもしいたらクローズしてください。












1)
江戸の街に辻斬り現る。しかし、斬られた17人は皆、急所が外れていて誰一人死んでいない。
ヒガシ(奉行所勤め、刑事みたいなもん)は最初、腕が悪い辻斬りかと思うが、逆に腕が立つから急所を外せるのではないかと疑う。

2)
斬られたけが人が運び込まれるのは決まって小宮山診療所。辻斬りのおかげで繁盛していると揶揄される。評判の医師、勝之進は実はまったく治療が出来ず、メスを手に凍りつく。助手の悠馬が代わって手術をし、指示を出していた。

3)
この悠馬、実は安房の国(房総半島のあたり?)で腕が立つ医師だったが、誠心誠意、治療したものの薬や医療器材の不足もあって患者を助けられず、遺族から非難されたために国を出て、助手となっていた。今でも罪悪感に苦しみ、酒におぼれている。

4)
辻斬りは実は勝之進の父、泰山(里見浩太朗)。患者を増やし、息子の練習台にしようという思いからだった。息子に大きな診療所を構えさせてやりたいと悪徳商人に頼む。悪徳商人には交換条件として、つるんでいる薬屋の薬を仕入れることを要求される。単なる親バカにも見える泰山には、故郷で剣術道場を開いていた時に弟子がどんどん減り、病気の妻に十分な薬も買ってやれず死なせたという後悔があった。

5)
悠馬がいなくなった後、一人で急変した妊婦の帝王切開をしなければならなくなった勝之進は切り損ねて患者を死なせてしまう。助手が体を押さえていなかったから、違うところを切ってしまったことにし、遺族にはカネを渡して黙らせようとする。

仕事人の常で最後は登場人物ほとんど殺されてしまいます。毎回、仕事人チームしか生き残っていないんじゃ・・・。ただ流しの仕事人として登場した中村獅童は殺されるかと思いきや、次回以降のために温存した模様。ま、全員ジャニーズだとやや軽いので貴重なコマかも。

里見浩太朗、初めての悪役だそうで、鷹揚とした殺陣が格と年を感じさせる。

さて本題。
現代の医療問題に通じる要素とは、例えば3)の医師に落ち度があるか否かを別にして、患者は死に、責められること。逆に、5)のように、本当に過失があった時に、責任をすり替えたり、もみ消したりすること。また、2)や4)の、医師にとって患者が多いのは経営と経験の面でいいことだけど、患者にとっては災難であること。この場合はパパが斬って患者増やしちゃってるので直接ではないけれど、医師には患者を増やすことさえ可能です。あとは2)のように、腕が悪くてもそれなりに見せかけることは出来ること。4)の薬の営業は病院経営に付きものだということ。

まったく治療が出来ないうえ、後半では、「どだい無理なのに医者にさせられて俺の人生台無しだ!」とぶちまける勝之進が、最初はやけに患者に親切なところとか(逆に腕のいい悠馬はつっけんどん)、人斬りまくってるうえに診療所を大きくしようと画策する泰山が、息子には人様の役に立つ仕事をしてほしいのだと繰り返し話すところなんか、なかなか皮肉が効いてる。

けっこう京都あちこち行ったので、エンドロールの撮影協力でロケ地チェックをするのも楽しい。

しかし、今回の仕事人はまだストーリーが追えたけれど、正月の鬼平犯科帳は何度も巻き戻ししながら観ないと分からなかった。録画機能なんてない頃から(たぶん今でも使わずに)観てるじーちゃんばーちゃんたち、すごい。